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舞台美術
演劇やバレエなどがくりひろげられるステージ。その背景には、いわゆるセットという造形物が配置されています。このセットをつくり配置することで、作品世界のリアリティを高めてゆくプロ、それが舞台美術家です。
舞台美術家は舞台デザインにあたって、演目となる作品の脚本・台本を読みこみ、その世界観を理解します。そして、そこで得たイメージを演出家の意図とからませ、ほかのスタッフとも連携しながら具体的なデザイン案を練ります。これをスケッチや模型にして関係者にプレゼンテーションを実施。そこで決定された最終デザインにもとづいて、セットのパーツを制作してゆきます。場面転換を必要とする舞台では、場面の数だけセットをつくらなくてはいけないため、制作はなかなか大変。また、本番の場面転換シーンでは美術バトンや引き枠、大セリ、回り舞台などの設備をフルに使用して瞬時に場面を変えてゆきます。舞台美術家には、組み立てやすくバラしやすい、しかも丈夫なセットを組む設計技術が求められます。
舞台美術家になるために、特に必要な資格などは存在しません。ただし学歴については、美術系の専門学校や大学で必要な知識を学んでから業界に飛びこんだほうが、実際に働くうえでやりやすいでしょう。学校の卒業後は、舞台美術家に弟子入りしたり、舞台美術の制作会社に勤務、あるいは劇団に入団するなどして、舞台美術のノウハウを現場で学んでゆきます。自分の技術が人々に認められて、劇団や劇場から指名されるようになれば一人前です。それまでの見習い期間は、収入的な面でも高い期待は禁物でしょう。ある程度名前が知られてくると、所属元から独立してフリーで活躍する道もひらけます。
舞台美術家に求められるのは、なによりも美術的なセンス。これは才能が左右する要素も小さくありませんが、現場での経験や努力によっても伸ばすことができる資質です。制作にたずさわるいっぽうで、数多くの舞台をみずから見学し、芸術以外の分野にも幅広い興味を持って、さまざまな完成をインプットしてゆくことが大事であるといえるでしょう。
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